2013年6月14日金曜日

留学生活を充実させるための3つの方法


皆様はじめまして、こんにちは!
ハバタクアソシエイトの菅原詩織です。

ご縁があって先月からハバタクに関わっております。
まだまだ不慣れですがこれからよろしくお願いいたします。
今回は第1回目ということですので軽く自己紹介をさせていただきます。


*自己紹介 



平成3年、宮城県仙台市で誕生(杜の都仙台)。
初恋は5歳。片思いの彼に「しーちゃんってオレのこと好きなんだろ」と言われ冷める。
高校卒業後、念願かなってついに上京。現在外語大でベトナム語を専攻。

ちなみに決まって聞かれる『何故ベトナム語を専攻しようと思ったか』ですが、理由は3つです。
  • 第一に声調言語を学びたかったこと。
  • 歴史に興味があったこと。
  • 東洋のパリとも言われるヨーロッパの雰囲気とアジア独特の活気溢れる国に心惹かれたこと。



入学当初は何もかもか新鮮でとにかくやる気に満ち溢れていたのですが、ある時ふと私は何故ベトナム語をやっているんだろう・・・と疑問に思った時期がありました。(この時期はベトナム語を専攻した学生なら一度は経験するはず)

そんな中、このままではいけない。とりあえず行ってみよう!と思いドキドキしながら往復航空券を買い、地球の歩き方とやらを片手にバックパックを背負い一人で東南アジアに旅立ちました。



しかしベトナム入国から3日目。
ホーチミンから少し離れたビーチリゾート、ニャチャンで私はバイクに撥ねられました。
搬送先の病院は、小さな小さな町の診療所。
ベトナムで約2週間の入院生活を送る中さまざまなベトナム人に出会い、病院のベットでもやもやと色んなことを考えました。やる気の無い医者、点滴も打てない看護師、医療設備・・・この時は正直ベトナムの嫌な部分ばかりしか目につかず、何度も国自体を嫌いになりそうになりました。

けれども無事日本に帰国した後考えを整理し楽天的な私は、
これ以上のハプニングは無いだろう。どうせならもっとこの国を知りたい。もう一年間住んでみよう。と留学を決意しました。

 

*ハバタクインターンのきっかけ



ということで昨年から今年の2月末までベトナムに丸々一年留学をしていたのですが、
そのころはハバタクについてあまり知りませんでした。きっかけは帰国間際に大学の先輩である望月さんに小原さんを紹介していただいた事。
一歩外に出ると「日本人の英語のできなさは異常」と言われ、国内からは「最近の若者の内向き志向だ」と言われなんだか悔しさと感じていたため、
和僑プロジェクトの詳細を聞いたときはコレだ!と思いインターンをお願いしました。


今後は留学経験を生かし、ハバタクベトナムを中心とした和僑プロジェクトもお手伝いさせていただこうと思っています。


ところで、
留学は私たち学生にとって一番身近な、世界にハバタク方法ではないでしょうか。
これから留学を控えている学生さんにアドバイス、と言うとなんだかとても上から目線で偉そうなので今回は私が留学生活の中で気をつけていたことをお話します。参考にしていただけたら幸いです。



*留学生活を充実させるための3つの方法



①現地の友達をたくさん作る
長期滞在となると次第にホームシックになったり、日本語を話したくなったりしてくると思います。でも日本人とつるんでばかりいては何のために留学に来たのかわかりませんので、休みの日はできる限り現地の友達と遊ぶようにしていました。持論ですが私はこれが一番語学の上達につながると思います。
ただ机で勉強するのは日本でもできるので、休みの日はとにかく外に出て、カフェの店員さんと話したり、できるだけ人と話すようにしていました。
しかし日本人だからこそ相談できたり共感できる部分もあると思うので、ストレスは抱え込まず適度につきあうことも大切です。さらに海外では日本ではなかなか出会えないような企業家さんや大企業の方とお話をする事も沢山あるので、学生さんはそういった素敵なチャンスも大切にしてください。


②恥を捨てる
ご存知の方も多いかと思いますがベトナム語は声調言語なので、一つの言葉でも読み方によっては全く意味が異なります。ちなみに中国は四声ですがベトナム語は六声・・・ですので声調がしっかりできていないと全く通じません。
観光客の多い場所ならまた別ですが、ある時田舎でお前は何語を話してるんだ、何言ってるかわからないと言われ心をバキバキに折られた事があります。しかし始めから上手なら留学する必要なんてないなとそこは開き直り、失敗を恐れずに積極的に話すようにしました。
恥や変なプライドは早めに捨てるべきだったなと私は少し後悔しています…。わからなければ聞けばいいだけですし、間違ってもどの国でも現地の人は優しく教えてくれるはずです。


③異文化を楽しむ
日本人である以上、長期滞在中に必ずその国の文化に理解を苦しむ瞬間はあると思います。しかしその違和感に嫌悪感を持つのではなく、何でも違いを受け入れて楽しむようにしていました。そうするとストレスも一気になくなり、海外生活がさらに楽しくなりました。



せっかく留学するチャンスと時間があるならば、
とりあえず一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
海外に出てみるとさまざまな出会いや発見があるのは間違いないです。
私自身海外に一年間住むことで改めて日本の良さを再確認できたことも大きな発見の一つでした。もし日本でだらだらと学生生活を続けていたら、今ほど日本の素晴らしさに気づけなかったと思います。



なんだか結果的に偉そうになってしまいましたが...
私が一番に伝えたいことは、海外に出る=可能性を広げる ということです。
今年は日本を拠点に新しい事に挑戦しつつ、
ハバタクアソシエイトとして日々成長していきたいと思っています!
今後ともよろしくお願いします。


長々とお付き合いいただきありがとうございました!


                                        菅原詩織
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2013年6月12日水曜日

ハバタク!将来に向かって、ボーダーを越えて


みなさんこんにちは!そしてはじめまして!

ハバタクで修行中の関根涼です^^

現在は大学4年生(本当は半期の休学を挟んでいるためいわゆる5年生です。笑)で、今年の秋からカナダのバンクーバーで1年半ほどの留学を予定しています。

一般的な大学生と比べて、とても長〜く大学生をやってしまうことになりそうです^^;
ハバタクでは、この4月から主にと和僑プロジェクトとRikejoプロジェクトの広報に携わらせていただいています!

インターンとはいえども、自分たちの意見がかなりプロジェクトに反映されるので、とても楽しく頭を使いながら活動させていただいています!

それでは少し自己紹介としまして、私がハバタクに関わらせてもらうようになった経緯を話していきたいと思います!

ワークキャンプメンバーと熊本観光




◆Before ハバタク
〜「出会い」「気付き」にあふれたワークキャンプ

私にとって間違いなく、自らの価値観を、また将来に対する考え方を変えた経験となったのが、ワークキャンプです!

ワークキャンプってなんぞや?と思われる方も多いと思うので簡単に説明すると、
「合宿型のボランティア」で、さまざまな国のさまざまなバックグラウンドを持ったメンバーが、ニーズのある現地に滞在し、地元の人々とも交流し、寝食をともにしながらボランティアをします。

それまで自分は外国人と関わる機会はほとんどなく、日常的な視野も国内、もっといえば大学内に限定されていました。

「このままではいけない…」という気持ちは持っていましたが、何をすればいいのか分からない。

周りが就職活動などで将来のことを考えて行く一方で、将来に対する目標を何も抱けない自分をとても情けなく思い、同時に焦りを覚えました。


そんな最中、何気なしにネットサーフィンをしていたときに見つけたのが「ワークキャンプ」でした。

それまでボランティア経験もないですし、本格的に英語でコミュニケーションを取ったこともありませんでしたが、

何かの運命で出会ったいろんな国のいろんな特徴を持った人たちと、一緒に生活し、一緒に同じゴールを目指して試行錯誤する。

今まで経験したことのない「何か」に触れることができるのではないかと思い、ワークキャンプへの参加を決めました。



マレーシアのオーガニックファームの宿舎
今までワークキャンプは国内4地域、海外2カ国に参加しました。

その中でとてもいろいろなことを感じ、そして多くの気付きがありました。


その中でも特に2点あって、

一つ目は、「多様な価値観のなかで生活をするって楽しい!」ということです。

それまでは、学校のコミュニティー、サークルのコミュニティーの中で生活してきて、その分周りと自然に
意気投合できる部分もありますが、やはり価値観というのも似通ったものになります。

私は割とポジティブではないタイプの人間なのですが^^;、 その限られた価値観の中でうまくいかないことがあると、とことん沈んで、自己否定へと走ってしまう節がありました。

しかし、もっと多様な価値観の人たちと一緒に生活できたことで、「こんな考え方があるんだ、面白い!」となったり、あるいは「自分も意外とこんな良いところあるんだ!」という気付きがありました。


そして二つ目は、「世界の国々にも日本国内にも様々な解決すべき問題がある」ということです。

基本的にボランティアが行われる場所というのは、地域に解決したい課題があり、マンパワーを必要としているところです。

ワークキャンプを通じて世界の国々にも、日本の国内にも解決しなければいけない課題はたくさんあるということに改めて気付かされました。

これは実際にその地域に赴いたからこそ気付けたことであり、日頃何気なく生活しているだけでは、それが「自分事」にはなりえないということも同時にわかりました。

世界各地のメンバーがワークキャンプに参加する

◆Meet ハバタク

その後も紆余曲折はあったのですが、自分のなかで
「もっといろんな国の人がいる環境に身を置いて生活をしたい」
「世界や国内に存在するさまざまな社会問題を解決するためのスキルを身につけたい」という思いが強くなりました。

周りから遅れてしまいながらも、バンクーバーで勉強をしたいと思ったのには、このような経緯がありました。

その留学までの間に、何か自分の問題意識に沿った組織でインターンシップをしたいと思い、知り合いの方から紹介を受けたのが「ハバタク」でした。

「国境を越えたチャレンジの場を提供し、世界中の人々と未来を共創できる次世代リーダーの育成」をコンセプトとするハバタクの「和僑プロジェクト」は、
「チャレンジ」するためにこれからバンクーバーへ留学する身である自分にまさにマッチしたものであると思いました!


◆今後にむけて
〜「ハバタク」の精神とともに

ハバタクのインターンとして活動していくなかで、自分のできないことがたくさん見えてきて、やはりまだまだだな〜と痛感する日々です。

しかし、一緒にプロジェクトを進めてくださっている長井さんが、

さまざまなスキルを教えてくださるのはもちろんのこと、
知的好奇心を刺激する話をしてくださったり、自分自身の問題意識を語ってくださったりするので、とても楽しく充実した時間を過ごせています。

ハバタクと多く関われるのは今年の秋に留学に行くまでの期間になってしまうかもしれません。

しかしハバタクが大事にする、チャレンジする精神であったり、いろんなボーダーを越えるような体験を積極的にしていきながら、将来に向かってハバタいていきたいと思います!
ベトナム、ハロン湾

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2013年6月11日火曜日

外に踏み出すこと、自己紹介に代えて


みなさん、初めまして!
今年の4月からハバタクベトナムでインターンを始めた、旭泰広と申します。

今回初めてのブログ投稿ということで、自己紹介をと思ったのですがせっかくなので簡単な自己紹介に加えて最近考えたことを少し紹介できたらと思っています。自己紹介がおまけみたいになってしまう気がするのですが、気にしないで書き進めます。


1、自己紹介


さあ、まず自己紹介ですね。私は今、大学3年生でホーチミンに留学しています。一応、交換留学という形で来ているので学年は進みます、進むはずです、進まないと困ります
大学は東京外国語大学で、今はホーチミンの人文社会科学大学でベトナム語を学んでいます。



(私の通う大学の様子)

と、ここまで話すと十中八九尋ねられます。「どうしてベトナム語を選んだのですか?」と。外大に入った以上死ぬまでこの呪縛からは解かれないらしいのですが、もうすでに死ぬほど聞かれた気が。ということで、ここでも答えておきます。簡単に言うと経済です。





(ホーチミン中心部の夜景http://sugo-blog.com/?p=1870より)


ベトナムはポストチャイナの地位を得られるのではないか、といわれるほど、経済発展を続けています。したがって、日本の企業の進出も著しいものがあります。つまり、ベトナム語ができれば武器になる!ということですね。もともとセンター試験の成績が満足できるものではなく東南アジアの言語の中で選ばなければならなかったのも事実です。そんなに深く考えずに選んだベトナム語ですが、今では「選んでよかった」とつくづく思っています。後悔はありません!



ところで、出身は大阪です。
実はホーチミン、圧倒的に関西人勢力が関東人勢力を上回っています。なので、こちらでは関西の方とお会いすることが多いのですが、その時これまたよく聞かれることがあります、「どうして大阪大学とか関西の外国語学部ではなく東京にしたのですか?」。これには明確に理由がありました。東京にすら行けないのに、海外に行けるわけがないという持論です。(あくまで持論です!)



次は、インターンを始めた理由ですね。今回は理由ばかりを集めていますね。よくよく考えると自己紹介は理由の塊なのかもしれません。他の人と違うことをするからには理由があり、他の人と違うところを紹介するのが自己紹介なのですね。
はい、で、インターンを始めた理由は大きく二つあります。まずひとつめは、大学に入ってから本気で何かに打ち込む機会がほぼ皆無だと感じたからです。そして、もう一つが将来何をするのか考えるためです。
とまあ、こんな感じで大学に入りホーチミンへと留学に来たわけです。

      (ハバタクメンバーと。 一番左が私です)        




2、最近感じたこと

突然ですが、みなさんは「世にも奇妙な物語」はご存知ですか?「知らない」といわれても番組自身の説明をするときりがないのでそのまま進みます(ごめんなさい)。それぞれの話にオチがあり、深い意味が込められた作品が多いので私はこの番組が好きです。その中で「13番目の客」という話はご存じでしょうか?この話を先日見て、いろいろ考えさせられたので、少し紹介したいと思います。


“あるワンマン社長がいました。すべて自分で仕切ってしまうような社長が。しかも、やり手の社長で会社は儲かっています。
その社長が車を走らせていると、道端に「理容室」がありました。入ってみると、全く客がいないわりに、店員は13人もいました。髪を切り終えお金を払おうとすると、店員は見向きもせず店長にあいさつをしています。「ありがとうございました」「お疲れ様です」。店長はとても神妙な顔をしながら門の外へと進みました。
社長はそんな店員の態度に怒りをあらわにしながら、店を後にしようとします。そして、門を出ようとした瞬間。

足が前に出ません。どう頑張っても、店の敷地の外に出られなくなってしまいました。そうです、ここで働いている13人はもともと客として来店し、出られなくなった人たち。
一人が説明をします。「この店は秩序立っています客が一人来るたびに、一番長くいるものが店長として髪を切り、切り終えると外に出られる。他のものは、客が来るたびに一つずつ地位が上がっていく。」
客は1か月に一人来るか来ないか。出るまでに約1年かかります。最初は反抗していた社長もこの秩序だった世界になじんでいきます。

ある時、先輩の一人が説明します。「誰でも、新しい生活や初めての文化に接すると4つの段階を経験するそうなんです。はじめは好奇心。見るもの聞くものなんでも楽しい。そして、第二段階目、不満が起きる。3段階目、後から来た者への知ったかぶり。4段階目になってようやく、その文化を理解し、自分のものにする。つまり、そこの『住人』になるんですよ。でも、実はそのあとにもうひとつの段階が待っているらしいんです。私はまだ、ここを出ていないのでわからないのですが。」

月日を経て、ようやくその日が来ました。社長が外に出られる日。店長として13番目の客の髪を切り終えた社長は、他の店員に見送られながら門の外に踏み出します。そこに、一本の電話が。部下からでした。一年前のあの日に話していた内容。日にちを聞くと1年前のあの日。時間は進んでいませんでした。しかし、社長は部下と話をすることができませんでした。電話を捨て、もと来た道を戻ります。しかし、もうあの理髪店はありません。ただ門が残るだけです。「もう一度なかへ入れてくれ」社長は叫び続けました。“



この話はここで終わりです。ネットでも名作だと言われているこの作品ですが、本当のオチの意味は作者にしかわかりません。


しかし、私はこの作品のメッセージが「後ろを向くな、前に進め、外に出ろ!」というものだと感じました(留学中に見たので余計にそう感じたのかもしれませんが...)人は常に5段階目にいて、自分が所属していた前の秩序を思い出し、戻りたいと願っているのです。
安定した自分にとって心地の良い秩序が恋しく思います。社会人は大学時代を懐古し、大学生は高校時代を
しかし、この段階に居続けても何も生まれません。
もう一度、1段階目から4段階目を目指さなければなりません。常に新たな世界にいないと成長できないのです。ハバタクの理念にも近いものがあるはずです。


と、偉そうなことを書いてしまいましたが、とにかくどんどん新しい世界に踏み出して行かなければならないと改めて考えさせられた作品でした。

10年前に帰りたいと言ってはいけない、なぜなら今のあなたは10年後から帰ってきたのだから」

ソースは忘れましたが、私の好きな言葉の一つです。常に成長できる新たな世を探し続けたいものです。


旭 泰広
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2013年3月7日木曜日

それでもわたしが海外就職する理由

みなさん、こんにちは!望月です。
あっという間に3月。もう卒業シーズンですね。わたしも今月で卒業なので、すでに寂しい気持ちでいっぱいです。

さて、わたしは来月4月からベトナムのハノイで勤務することになりました。
新卒でベトナム現地で就職活動をし、現地の会社で勤務します。いわゆる海外就職です。
ここでの就職活動によってわたし自身とても大きな経験をし、同時に思うこともあるので、ご報告も兼ねまして、どうしてわたしがベトナムでの就職を選んだのか、そして海外就職を考える後輩のみなさんにメッセージを残せればと思います。

最初にわたし自身のことを少しお話しますと、現在わたしは外語大学でベトナム語を専攻し、2年前にはハノイに長期滞在しておりました。帰国後はハバタクと出会ったということもあり、海外で仕事をするということをよりリアルに感じられるようになりました。
もともと外語大に進もうと思ったのは、中高のころから英語が好きで将来は海外で仕事をしたいという夢を描いていたことが一番大きな理由です。(もちろんそれ以外の要因もありますが)海外というフィールドがわたしにとってとてもかっこよく、憧れだったのです。


■周りではなく、自分にとっての一番のリスクが何であるかを考える

現地で働かれる日本人のみなさんによく言われた言葉に、「リスキーすぎる」「もったいない」のふたつがあります。
もちろん、「いいね!」の言葉もとってもたくさんもらいました。でも、それと同じくらいこれらの言葉ももらいました。しかし、結局わたしは4月からベトナムで働きます。
というのも、わたしにとっての「リスク」と、現地のみなさんの思うわたしへの「リスク」にズレがあったからだと思います。

就職活動中、自分がどうなること・なににリスクを感じ、なにを譲れないのかは必ず一度は考えるかと思います。いわゆる会社を選ぶ軸です。事業内容や福利厚生の充実、給与、事業の安定性や教育制度などなど。

わたしはもともと、元内定先の日系企業に就職予定でした。でも、先輩社員の働く姿と海外駐在になるのは早くても5年後という条件がわたしには合わず、結局辞退してしまいました。
ここに就職すれば、ベトナムよりも充実した福利厚生に高い給料、きちんとした教育も受けられたと思います。
でも、わたしがそこに就職することで生まれるリスクは、一番避けたかったものでした。

わたしにとっての一番のリスクとは、大学やベトナムで学んだことも活かせぬまま、日本で働き年齢を重ねていくことでした。(そんなこと?と思われるかもしれません)
前述したとおり、わたしはベトナム語を専攻しております。海外で働くために外語大に進学し、そこでベトナム語を学んだからには、ベトナム語を使って仕事をしたい。
もともと大学進学は学歴のためではなく、あくまで海外で働くための手段でした。(なのでずっと専門学校に行こうかも悩んでました。)

ベトナムをはじめとした東南アジア諸国はもともと製造業の拠点として注目され、現在では巨大なマーケットとしてのプレゼンスも高めています。
わたしがベトナム語専攻を決めた5年前には、「ベトナム語なんて学んでどうするの?」なーんて反応が多数でしたが、今では「いいね!」と言われるまでに周囲の反応は変わりました。こう思うと、5年って期間で本当にいろいろと変わります。長いです。
でもベトナム語はベトナムでしか使えない、たった8000万人にしか使えない超マイナー言語。いまはそれでも日系企業が(いまはサービス業が多いですが)進出しておりますが、今後は人件費も上がり、製造業の拠点はミャンマーやカンボジア、ラオスといった国々に移っていくでしょう。
いまや一瞬で世界を変えることもできる時代。社会主義国でありまだまだ経済も政治も不安定なベトナムの5年後の姿を、誰が想像することができるのでしょうか。

また、ベトナムでは現在空前の英語ブームでエリート層だけでなく、中間層でも英語が話せる人口が爆発的に伸びています。(詳しくはわたしの前エントリーまで!)
5年後、ベトナム語が話せる日本人のニーズって増えてると思いますか?わたしは減ってるようにしか思えないのです。だって、英語が話せれば事足りるんですもん。
もちろん、ベトナム以外で働くチャンスは増えるんですが、わたしの場合はベトナムじゃなきゃだめなんです。わたしの学んだ言語は、英語と違って不朽のものでなく、鮮度が大事なものなんですね。

それを考えたら、いまがチャンスなんじゃないの?と思ったわけです。
それに対し、駐在の方々の仰るリスクとは、教育制度や給料、待遇面に関するものばかりでした。もちろんこれらも大事な要素ですが、それよりも優先したいものがありました。

自分自身にとってのリスクと、他のひとのリスクって全然違います。
ベンチャー企業のように事業もまだ不安定で教育制度も充実してないところで働くことがリスクだと考えるひともいれば、それを成長の機会だと捉えるひともいます。
数年後がわからない未来を不安定だと思うひともいれば、わからないからこそわくわくすると思うひともいます。そういうもんです。

自分にとってのリスクってなんなのかっていうのは、一般的にこう思われてるから、ではなくて、本当の自分軸で考えた方がいいです。
なんかもっと、各々が譲れない大事なものをもってるんじゃないのかなあと思います。


■意外とある?若者が活躍するチャンスとフィールド

だからと言ってわたしは、みんな海外行っちゃえば?などと言うつもりはありません。
海外というフィールドであればどこでもよい人であれば、日本で経験を積みしっかりと教育を受けた方が、転職もうまくいきやすいかと思います。海外どこでも自由に選択できるようになるかもしれません。武器があるひとは本当に強い。常々感じています。
明確に日本でやりたいことがあるのなら、まずは日本でやったほうが絶対よさそうです。

でも、働く場所を決めるとき、日本か海外かって最初に決める必要ある?とも思います。
わたしはもう、日本の新卒の就職事情はどんどん厳しくなる一方と思っています。
未就職卒業者が増えているなかで、日本にそこまでこだわる理由ってあるのかな。
やりたいことを追求していったら海外だった、それでもいいのではないでしょうか。

わたしの大学の同期で友人のひとりに、先日インドネシアで就職活動をし、5社の選考を受け5社とも内定を勝ちとった強者がいます。
その友人曰く、インドネシアの日系企業では日本人が足りず、とにかく日本人の人手がほしいと懇願してくる企業が多いようです。
実際にわたしも、レストランで求職中なんですよね~なんて会ったひとに話すと、おっ友人の会社が日本人を探してるから紹介します!と言われ選考を受けた会社も2社ありました。
どちらも決して、新卒だからって切ったりしませんでしたよ。
(ただ、急きょ人材が必要な場合が多いので、卒業まで待てないという会社もありました)

国によって差はありますが、新卒でも働けるチャンスって意外とあるかも?と思いました。
一般的にわたしたち新卒は、仕事も知らなければスキルもない。
この“何もできない”無力感は、海外では新卒一括採用ではないために日本での就活以上に感じましたし、かなり悔しい思いもしました。できること、なにもないんです。
それに海外では日本と違って、新卒は別にありがたい存在でもなんでもありません。

でも新卒って何にも縛られていない分、フットワークも軽いし、行動範囲だって自由に広げられる。パワーだってあるでしょ。これって新卒の一番の強みなんですよね。たくさんの方々に、あらためて気づかされましたし、少なくともわたしにはこれしかありませんでした。

インドネシアで人手が足りない!誰か来て!状態だったときに、
すでに仕事や家庭をもっていると、インドネシアに行くという決断はあまりにも大きいですし、
海外で働くという目標があったとしても、日本でそこそこの待遇や給料をもらえていたら、現状に満足してしまうっていう可能性だって十分にありえます。
でも新卒だったら、自分の気持ち次第で行けちゃいますよ。抱えてるものなんて、そんなにないでしょ?(まあ、一番のネックはお金と家族の理解な気もしていますが)

それに聞いてみると、友人の行く企業の福利厚生も待遇もめちゃくちゃよくて、日本よりも手元に残るお金も多ければ、かなりいい生活できます。これには驚きました。
だから、海外就職=福利厚生が不十分・給料が少ないっていう思いこみはまず捨てたほうがいい気がします。この思いこみが、足を止めさせます。
もちろん何をもって福利厚生を十分だと考えるかによりますが。

新卒が海外で働き口を見つけることは難しいと思われていること(もちろん簡単ではありません)、日本にいるとまずは日本で働いた方がいいと言われることが多いため、実際に行かないとこういうチャンスに触れることってたぶんなかなかないんですよね。

そういうチャンスがあることを知らないのか知ろうとしないのか、海外は除外しているのか、そもそも海外という選択肢が端からないのか…そこはわかりませんが、こういうチャンスがあることを知らずに若者が機会を逃し続けている現状、なんだか悔しいなあと思います。

と思ってたら、ほら。インドネシアのジャカルタで日本人バブルだって。⇒『就活うつ自殺:「甘ったれるな」も「全員が正社員になれる社会を」も両方違う。

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なんといいますか。
世の中って思ってる以上に自分次第でどうにでもできるんじゃないのかなって思うんです。
別にこれが就職でなくてもね。

わたしも最初は新卒は難しいよね…なんて思っていたけれど、行っちゃえばなんとかするしかない!と必死になって、そんな姿を見て手を差し伸べてくれる方々もたくさんいるわけです。

もっとシンプルに自分のやりたいこと、やりたいフィールドでやりたいように達成していったらいいんじゃないのかな。その先どうなるか、なーんて誰にもわからないじゃないですか。
たまたまそのフィールドが日本だった、海外だった、それだけのような気がします。
日本だってもはや新卒の3割が3年以内に離職しちゃう世の中ですよ。
日本人だからという理由で必ずしも全員の一番輝ける場所が日本であるとも限りません。

わたしは今回の就職活動とインドネシアの友人の話から、思っている以上に新興国で若者がやれるフィールドはあるかもよって後輩のみんなに伝えたく、これを書きました。
新卒で行けって言うわけでもなく、チャンスがあるかもって知ってたら、道も増えるかと思います。

何度も言いますが、別に日本人みんな海外行っちゃいなよ!なんて思ってませんし、海外に行けば絶対に幸せになれるとも思いません。
それに、決して海外での就活も仕事も楽じゃないです。それだけは、理解していてください。
精神的にも肉体的にも日本より過酷かもしれませんし、「日本で就職できないから海外で…」みたいな考えで来ると失敗する気がします。

ただ、世界にはあらゆるフィールドがあるにも関わらず、最初から勘違いや思い込みで海外という選択肢を除外し狭い日本で探すって、それこそ「もったいない」んじゃないのかな。
ほんとにそれ、日本でやるのが一番いいの?

…って思うんですけどね!

そんなわたしは4月からハノイ勤務がはじまります。
不安ももちろんありますが、夢がひとつ叶うわけですし、応援してくださる方々もいればハノイには友人もいるので、ワクワクの方が多いです。
さて、わたしはこれまでずっと「常にエンターテイナーであれ」と意識しながら生活してきました。(あらためて書くと恥ずかしいですね…)
エンターテイナーとは周りを楽しませたり笑顔にするひとの総称です。
たとえば、歌手やマジシャン、演奏家などなど…たくさんいるのですが、エンターテイナーって、周りを笑顔にすることを目的としてやっているのではなく、
自分が好きなこと・楽しいと思うことを本気でやってたら、結果的に人々を笑顔にすることができたっていう人が多数だと思うんですよね。
これまで、いろいろ挑戦してきたわけでありますが、付き合いではじめたことも、やるときは本気でやったら世の中意外と楽しいことばかりだったなあとあらためて思います。
(無茶ぶりでみんなの前でなにかやらされるときも本気でやったら楽しいもんです。)
自分が好きなことをしたり話すことで、相手が笑ってくれる瞬間っていうのは本当に幸せですよね。 ハノイでも、あらゆる新しいことに本気でチャレンジしていきたいなあと思います。
それが結果的に、自分の楽しさになり、誰かの楽しさへと伝染していくように、 まずは自分自身がしっかりと本気になることの楽しさを噛みしめていければと思います。
エンターテイナーに国境などありません!

さて、もうやるしかないですね!
こんな世間知らずの若造ですが、みなさん応援していただけたら嬉しいです。

それではまた)^o^(
望月 綾

尊敬する方に紹介いただいた、本『グローバルキャリア』
これもわたしがベトナムで就職しようと考えたひとつのきっかけです。学生のみなさんぜひ!
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2013年1月31日木曜日

英語ブームの裏側@ベトナム

みなさんこんばんは、望月です)^o^(
このブログの最初のエントリーを9カ月前に書いて以来の登場です。メンバーのみんなに書け書け言いながら自分はまったく書いていませんでした。(ごめんなさい)
さて、明けましておめでとうございます!2013年もどうぞよろしくお願いいたします。

久しぶりのエントリーのテーマは“英語ブームの裏側”。
先月になりますが、卒論調査のため1週間ほどハノイに滞在し、卒論執筆のためにハノイの若者の教育への意識を聞きまわり、貧困層&富裕層の両端を対象に教育格差についての調査をしていました。
いまベトナムの若者の間で語学が熱いとは日本でもよく聞きますが、実際はブームどころかすでに生活の一部分と化してるな~と感じる部分が多々あり、これは並大抵のモチベーションではない!と驚きました。

以前わたしはベトナム人は英語が話せる話せないって話題になると、英語話者は観光客相手に商売するひとばっかりだよ~なんて思ってたし、言ってました。恥ずかしながら。
でも実際に話を聞いてみると、そうじゃないんです。(もちろんそういうひともいます!)

わたし自身、2年前にハノイに長期滞在していた際に、貧困層の子どもたちに英語を教えており、なんで貧困層に英語?ベトナム語も書けないのに?なーんて聞かれることも多かったので、今回はそのことも合わせて思うところをつらつら書こうかと思います。


■現地の就職事情に後押しされる英語熱

突然ですが、ハノイの若者が現地の企業にホワイトカラーとして就職するために、“最も”必要なものって何だと思いますか?

多くの方が、「学歴」と想像するのではないでしょうか。
日本もかつて(いまも?)そうだったように、有名大学卒というステータスがまず第一に必要であるとお思いになるかと思います。

しかしながら、わたしがお話を聞いたハノイの若者は、誰一人として最も必要なものが学歴だとは答えませんでした。

さて、なんでしょう!?

最も必要なもの。それは「親のコネクション」です。
彼らのほとんどがコネと答えました。(もちろんホワイトカラーの職に就くには高学歴は必須ですが、これってお金でも買えるんですね。。。なのでお金と答えた若者も1名いました)

ベトナム社会に公平性などないと言われており、いい職に就くためには、なによりも親のコネクションが影響します。
そのためコネもお金も十分にない人はできるだけレベルの高い大学に入学し、実力をあげスキルを身につけ、なんとかしてホワイトカラーとしての就職を勝ち取るしか方法はありません。

いま、ベトナムでは英語教育に加えて、幼児教育や塾も熱いと言われていますが、これはホワイトカラーとしての就職を獲るために、できるだけ早くからスタートを切ろうとする親の行動の表れなのです。
幼稚園の学費は大学よりも高くなっているし、学外教育への投資が正規の学費を越えている。平均年齢も若く、子どもが多いベトナムでは完全に需要に供給が追いついていなくて、インフレ状態です。(これがまた新たな問題を生み出しています)

まだまだ親の世襲やいかに親がコネクションをもっているか、が子どもの将来を左右するベトナムですが、この問題はとても深刻で大卒であってもコネがないため就職できず野菜売りになった若者がニュースで去年取り上げられたりもしたようです。
日本でも、某出版社がコネ採用を公表したことで去年ちょっとした騒ぎになりましたが、あれは就活生本人のコネを利用した採用なので、ここでのコネ採用とはちょっと違います。
ここで言うコネ採用とは、親のコネ、つまり縁故・世襲のことです。

しかし、このコネを使った就職が数多く行われる中でも、それを打破しようと懸命に努力している若者もたくさんいます。
それが地方からの学生であり、また個々人の能力やスキルを評価してくれる企業に行こうと懸命に勉強に励む学生です。

わたしがハノイの大学生を対象にインタビューしていて驚いたことが、ハノイ大学における地方出身者の割合の高さです。
協力してくれそうな人に適当に声をかけたので、実数としての割合はわかりませんが、それでも声をかけたうちの8割近くがハノイ出身ではなく地方出身者だったので、やはり多いのだと思います。ハノイ大学では地方出身者へ優遇措置をとっているためもあるのでしょう。
そして、その地方出身者の両親の職業がほとんど農家だったのです。
地方と都市の平均月収の差は2倍にも及びます。農家なのに子どもを大学に行かせるのって財政面でもすごくしんどいんだろうな…と思います。
ハノイ大学付近にて

ベトナムでは、貧困層の約80%が農林水産業に携わっています。その中で、子どもを大学に通わす。
このことをベトナム語で“thoát ly”(離脱)というようで、つまり農林水産業から、貧困からの離脱を指します。
一人でもホワイトカラーとして就職し、安定した収入を得ることができるようになれば、天候等に収入を左右される不安定な農林水産業よりも豊かになる。(と、みんな信じています)

親からの期待、相当大きいはずですよね。
家族の希望を背負って都心へやってくる。たぶん、並大抵の覚悟ではないはず。。。
だって、自分が大学に行くために、学校に行けない兄弟がいることもあれば、学費のために今よりもっと家族が財政面でしんどくなるかもしれないんです。
農村出身だともちろんハノイでのコネなどないことの方が多いので、懸命に実力をつけていかなければなりません。


■外資系企業人気が幼児教育・英語教育に拍車をかける

そんないま、若者の間で外資系企業への就職が注目されています!
というのも、コネ採用をする国内企業とは違い、外資系の場合は能力主義であり能力に応じて扱いや報酬が決まり、採用時もコネではなく能力で判断されるから。
全員が公平に扱われる。これって、すごいことなんですね。

外資系が人気なのは、なにも福利厚生がいいとか給料がいいとか、単にそういうことだけではないのです。彼らは本気で、実力で勝負したいと思って、外資系企業を目指しています。

みなさんのお店やレストラン、そして会社のことです。
ベトナムで起業されたり事業展開されたりするとみなさん自身ベトナム人とのコネもあまりないため、募集して一人一人面接して…とスタッフを雇いますよね。
この日本ではいたって普通な流れが貴重なのだと思います。

日本語学校の授業の様子
でも日系企業をはじめ、外資系企業に就職するにはベトナム語以外の語学力が必要です。
実際に日系企業でも英語はもちろん、それに加え日本語検定取得者や日本在住経験者のみ対象に採用している場合もあり、語学に対するハードルはめちゃくちゃ高い。

だから、まずは採用応募者になるためのインターナショナルスクールや塾、英会話教室が人気なのです。外資系では能力で判断されるとはいっても、その前提として“英語が話せること”が多くの場合で存在しているからです。
わたしもハノイ滞在中、ボランティアとは別に、ハノイ工科大学のキッズ英会話スクールで富裕層の小学生に英語を教えていたことが何度かあり、保護者とも会っていましたが親の関心はとーっても高いです。こんな夜遅くまで小学生が英語を勉強するなんて!と驚きました。

そこまでして入りたい外資系企業。
幼稚園からインターナショナルスクールや塾に入れられ、英語を話せるようにと期待を背負った若者は少なくないです。それも、決して富裕層だけではないのがすごいなあと思います。
なかには、一家の生活を犠牲にしながらも子どもをインターナショナルスクールや塾に通わす親もいるんですよ。
公立学校であれば、通える余裕は全然あるにも関わらずです。

だから、これから学習塾事業を展開されるなら、コネがあってのんびりのほほんと過ごしてても就職先の保障されている富裕層相手ではなくって、長男一人くらいなら大学に行かせる余裕のある家庭やコネのない中間層相手の方がなんとなく需要ありそうじゃないですか?わたし、ここやってみたいんですよね。
だって、海外留学に行けたり何ら問題なく塾に通えたり、コネのある富裕層ってベトナム人9000万人のうちの何%だと思いますか?たったの1%なんですよ。

とても巨大な親の期待を背負いながらも、英語が話せるようになったら給料が○倍になるとか、一家の生活を一変させられるとか、英語を勉強することで自分の将来が華やかになるということを常にイメージし、勉強のモチベーションにつなげているようです。

彼らが抱えているのは、自分の人生だけでなく、家族全員の人生なんです。
このベトナム社会に蔓延するコネ採用が、いまのベトナムにおける英語熱に拍車をかけています。


■より豊かな生活を送るための英語学習

いま、世界はインターネットの普及により世界各地の情報をリアルタイムで得たり、コミュニケーションをとったり、また、自ら情報を発信できるようになりました。ほしい情報もモノも、すぐさま手に入れられる世の中です。

でも、こんな世の中であっても格差はあります。
インターネットにいつでも接続できる環境をもつひとと、もたないひとの格差、
そして英語話者と、そうでないひとの格差かなと思います。

ベトナムや東南アジア諸国、そして人口12億を抱える中国であってもそれらの言語に翻訳されている情報ってとっても少ない。
それに翻訳されたとしても、翻訳が正しいかも自分では判断できないうえ、情報発信から翻訳されるまでにどうしてもタイムラグが発生する。

日本はまだ世界的に見ても翻訳出版数は多い方なので(世界で4位のようですね)、危機感をそこまで感じることはありませんが、ベトナム語やその他アジア諸国の言葉のような翻訳されている情報は多くないので(中国語でさえ35位)、こういう傾向って顕著に出やすいのではと思います。
少ない情報の少ない中では、少ない考え方しかできなそうです。
でも英語を勉強したら入ってくる情報量は格段に増え、より豊かでより選択肢を広げながら生きていけるようになります。

というのも、話は少しズレますが、先日“親日派のための弁明”という本を読みました。
著者は韓国生まれの韓国人で、反日教育を受けて育ったために幼少期から反日でした。でも、オーストラリアに移住し海外文献を読んだことで日本への意識が変わり、いまでは親日家として本を出しています。(この本、韓国では出版差し止めのようです)

ここでわたしが言いたいのは、日韓関係どうこうではなく、母国語のみの情報だけを吸収していることの怖さ。
きっと著者も、もしオーストラリアに行くことなく、韓国に籠っていたら親日家になることもなかったはずです。すごく嫌な言い方をしてしまうと、国や政府の思い通り。
でも、英語を読めるようになったことで、あらゆる視点から物事を見れるようになり、考えられるようになった。彼の場合は180度も見方が変わってる。180度見方が変われば、人生変わると思うんです。

この本を初めて読んだとき、あっつまり他言語を学ぶってこういうことなんだなと思いました。
(日韓の歴史を学ぶうえでもとっても面白い文献なので、ぜひ読んでみてください!)

以前デンマーク人にベトナムでどうしてそんなに英語がペラペラなの?と聞いたとき、デンマーク語の本が少ないから勉強するにはまず英語を理解しないといけないと言っていました。
デンマーク人は自分たちでデンマーク語の情報が少ないことをわかっている。それなのに、デンマーク語翻訳が少ないぞ!早く翻訳しろ!なーんてならないんですね。
だったら英語勉強しようってなってる。
これは国民性なんでしょうか。だって日本だったら、誰か早く翻訳しろ!ってなると思いませんか?
英語授業中の子どもたち

日本にいるとわからないけれど、国に籠り自国の言語しか理解できないって実はすごくリスキーなんじゃないですかね。
たぶん、日本人がわからないこの感覚を、翻訳言語の少ない国の人々はとっくに気づいてる。
だから、中国も韓国も英語ブームが来たし、海外留学者も多いのではないでしょうか。

特にベトナムは社会主義国のため、翻訳される情報は政府によってコントロールされているはず。
だから、英語がわかることの意義はもっともっと大きそうです。

まあ、ベトナムがこれから着々と発展していくなかで、日本のようになるかデンマークのようになるかはわかりません(社会主義国なので国語を推し進めていくとは思いますが)。

ただ、やっぱりここでも就職の際と同じように、ベトナムでは英語を学ぶということは人生を変えうる大きな意味をもっているってことです。
 
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なんだかとーっても長くなってしまいました。
以上、わたしが見たり聞いたりしてきたベトナムの英語ブームの裏側でした!
ベトナム国内の教育に関する格差で言えば、将来安泰でのびのび暮らす富裕層と頑張って勉強する中間層貧困層の学力格差、同じ公立学校間に存在する受けられる教育の質格差などなど…たくさんありますが、今回はここまでにします。

ここまでお付き合い、ありがとうございました)^o^(
また月刊ハバタクでお会いしましょう。
望月 綾
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